衆議院選挙 ニューディール 国家戦略

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昨年の衆議院選挙にて思う

 

昨日は、アメリ中間選挙が行われました。

2017年9月末には、日本で衆議院議員選挙が行われました。

選挙といえば、衝撃的な思い出があります。 それは2009年9月16日の衆議院選挙直前でした。
民主党が政権を取る直前の衆議院議員の選挙運動中でした。ある日の夕方、民主党の重鎮である渡部恒三氏から電話が私の小さな会社にありました。 私は、やや、耳が完璧ではないのですが、「民主党のワタベコウゾウです!」と聞こえました。
そして、いきなり元気よく
「安部君!君の言っていることは当たっているよ!」
政界では、そのような言い方をするものなのでしょう。
内心、とても驚きました。
というのは、少し前、以下の内容の一斉メールをはんだ実装学会の面々に一斉配信していたのです。スタートしたばかりの小さな当社ですが、意気軒昂で国家的問題点を指摘していました。
当社繁栄のため毎週のようにエレショー技報(エレクトロ二クスショーの略)と題し、主として私の専門のはんだ付技術をネットで配信していました。それはそれで反響が大きく、お蔭で小さい会社なりに繁栄していました。
「米国では高速料金が原則全て無料、ヨーロッパも無料、あるいはごく低料金。いわば、日本の企業は立地段階で既に海外の国と比べてハンディキャップがある」と、はんだ実装技術のメンバー数百人以上に一斉配信しました。
更に、訳の分からない政府のぶら下がり社団法人を攻撃しました。
いわば良い意味で、海外の常識を知らない日本の政治家の目を覚ますために発信したのです。
ある日、私の属する実装技術業界の講演会に出席した際、はんだ付け業界では有名なソニーの技術者の方がが、私の発信した一斉配信メール内容を肯定する口ぶりで、同じく激しく否定しました。会場は、やんやの喝さいでした。懐かしい思い出です。
民主党で、小さな存在である私の意見が、一斉配信メール内容が、なんと国家的な注目を浴びていたのです。当時の私は、一個人のメール配信がいつの間にか増殖を重ね、あれよ、あれよと巨大化するなど、想像もつきませんでした。今でもそうですが。
色々、話し、「最後に一度会って飲もう」と誘われました。

渡部恒三氏からの誘いに
馬鹿な私は名前を確認するため「お名前を」と言ってしまったのです。
大変失礼でした。確認のつもりだったのですが。
氏は「まあ、あとで又電話します」で、永久にチャンスを失いました。
一歩間違えれば、私は実質6畳一間の会社から衆議院議員へとなる大チャンスを逃してしまったのかもしれません。ひょっとすると、さらに大きな貢献ができたのかもしれません。慎重な技術者こそ、ありとあらゆる可能性を考え得る技術者こそ、議員となる重要な資格があるのです。
渡部恒三先生、その節は大変失礼しました。先生のお名前は勿論知っていました。
つい、議員宿舎へなど行く際、一言一句確認した方が良いかと思いまして。技術者特有の細かいことに囚われていました。
これを書いているつい直前、2017年9月末、テレビで、先生の姿を見ました。
すこし、シェイプアップされたようですが、お元気そうで何よりです。

その時の私は振り返れば私の想像力が低く、自分の主張が大きく取り上げられているのだとは全く想像してしませんでした。ネット上で小さな意見が手を離れ、拡散して、増殖するなどとは思いもよらなかったのです。 私には準備ができていなかったのです。想像力が不足していたのです。その後、民主党が圧倒的に勝利、政権を奪取しましたが、その後の運営・進め方はドタバタ調で特に、公約の高速道路の無料化はほとんど、ど素人対応、準備周到さに欠け、単に思いつき程度の無料化であったため、むしろ東北地方で大渋滞が発生するなど、テクノクラートから見れば幼稚な思いつき、ずさんな計画と思えました。

高速道路の無料化に際し、まずは全国の通過車両数を調査計測し、通過車両数の少ない僻地から始めるのが正道でした。通過車両測定装置の製造などは技術者であれば、当時でもそれほど難しいシステムではありません。裏日本側など通過車両の少ない高速道路ではごく安い価格、あるいは通過車両が増えなければ、無料とすればいいのです。高速料金をフレキシブルとできるシステムを製作、車両混雑量をカメラで自動測定、リアルタイムでおおよその全高速道路の込み具合を赤色からブルーまで、一目瞭然とする工夫がまず必要でした。そして、いつも混雑する箇所は問題があるのですから、車幅を広げる、あるいは一部迂回路を追加建設した上で、ある日突然無料などとするのではなく、小刻みにいわばパソコンで制御するようにきめ細かく価格対処するシステムを構築するべきでした。何もかも素人同様であり、テクノクラートに任せるべきでした。

高速道路無料化の試みは、結果として、十分な検討、即ちこの区間を無料にすると他の区間がどのような影響を受けるかなど、詳細な検討が無く、失敗しました。
英語では「Feasibility Study」、日本語では実現可能性調査と呼びますが、素人集団の役人が決めた為、失敗し、取りやめとなってしまいました。少なくとも、主とし交通量の少ない夜間料金や、地方高速道路の料金を下げることから、始める必要があったのです。

高速道路無料化だけでなくこんな素人集団でしたので、やる事なす事失敗続きでした。口のうまい、論説のうまい政治家だけでは技術的発想に欠け、対処できないという典型でした。技術者は常に新規改良や、考案に挑戦、実験し、始めは失敗連続の人生です。本来はむしろ、失敗経験が多く、きめ細かく慎重に技術的に配慮する技術者の方が、検討立案向きと思います。状況をとてもうまく、短く、的確に表現できる大衆に迎合できる政治家よりも、朴訥であっても遅くとも、同時に多くの要因が頭をかすめる技術者の方が向いている分野も多いという典型です。

民主党の成果は、
その他、政権を取った民主党の追及は観念的で甘く、緻密な入金と支払金の調査や、各法人の具体的成果の数値化等に欠け、迫力不足でした。それから年月が過ぎ、2017年9月ネットを見ましたところ、各種法人規定がかなり変わっているようです。
最近の事はよく知りませんが。

思いついた様に東北方面の高速道路の使用頻度が低いのに注目したのか、この方面を無料にするなど雑な実施で、混乱が起こり、高速料金の無料化はあえなく消え去りました。予め、すべての日本高速道路の時間的混雑状況や、車の流れ、など、高速出入り口の記録から、判別できたはずです。緻密なデータと、正確な車の移動経路、混雑状況および、仮に無料化した場合の予想される新たな混雑など、予め詳細に検討するステップが必要だったのです。まずは、地方活性の為にも僻地の交通量の少ない地域から広めていくべきでした。

民主党議員の追及は各種法人についてもあらかじめ詳細に周到な調査なしに一方的に感情的に追求するスタイルで、緻密さがなくいつのまにかこの両方とも崩壊してしまいました。政治家は口がうまく、 特に現象や事態を的確に短く表現できる能力にはいつも驚かされていますが、逆にまとめるのではなく、より詳細に追及、真実・実態を把握しようとする熱意工夫執念などは極めて低い様です。政治家は、注目を浴びる為、人気を得る為、口で勝つため、新聞記者の注目を集めるため、 他の議員よりも一歩でも、二歩でも先んじて、自己存在価値を示す必要があるのではないでしょうか。常に大衆の支持を誰よりも先に得ることに汲々としているのではないだろうか。その結果、その時点の状況を的確に表現はするが、どうすればよいのかの深堀りに欠けるようです。